大手製薬メーカーでは、医療機器のデジタル化と高精度化への要望が高まっています。アイカムスラボは、医療分野の厳しい基準をクリアし、さまざまなセンサーやカメラのインテグレーションを通じて、次世代の液体吐出デバイスを提供。多くの医療機関や研究機関が従来の手作業の限界を超える高精度な操作環境を実現できるよう、当社の製品を活用しています。
医療分野では近年、簡便で軽量な医療用デバイスが求められる中、各種の液体吐出デバイスもまた小型化と操作性向上が不可欠とされています。このクライアントである大手製薬メーカーも、次世代型デバイス開発の重要性を認識し、新たな技術を積極的に取り入れることで、製品の競争力向上を目指しています。しかし、これまでのデバイスは主にアナログ方式に依存しており、デジタル技術や最新のIoT技術に対応する基盤が整っていない状態です。また、長期にわたり使用されることを前提とした製品のため、デジタル化の導入は避けては通れない課題とされてきました。
さらに、クライアントの製品が医療分野で用いられることから、ユーザーが扱いやすいサイズと軽量化は不可欠です。医療現場での運用を考慮すると、長時間の使用に耐えるための低消費電力設計も重視され、これに加えて、一定の品質管理基準をクリアする必要があります。このため、デバイスの品質や性能を保証するQMS(品質管理システム)省令に基づく設計も不可欠であり、従来の開発手法では達成が難しいとされてきました。
医療機器の安全基準に対応するため、クラスⅡ以上の製造実績を有し、QMS省令に準拠した体制での設計が求められています。
デバイスのサイズはハンディで持ち運べるものが理想であり、作業者が負担を感じない軽量さが不可欠です。
医療用途の吐出デバイスは微小かつ高精度な動きが要求されるため、微細な制御が可能なアクチュエーター構造が必須です。
精密かつ安全性を重視したH/F設計が求められており、特に赤外線センサーや小型カメラ、通信機能を具備した部品の調達とインテグレーションが重要です。
アイカムスラボは、クライアントの要求に応えるため、総合的なソリューションを提案しました。まず、操作性向上と小型化を実現するため、デバイスには高精度なマイクロアクチュエーターを導入し、持ち運びやすいハンディサイズに設計しました。このアクチュエーターにより、従来製品にはない精密で安定した吐出が可能となり、多様な使用状況に対応できるデバイスとなっています。
さらに、赤外線センサーと小型カメラを組み合わせたインターフェースを設計し、リアルタイムでのモニタリング機能を追加。これにより、設定条件に基づいた自動吐出を実現し、操作をより効率化します。また、これらの構成要素に合わせて専用ソフトウェアと回路設計も行い、高精度かつ安全性の高い医療用デバイスを開発しました。
加えて、医療機器認証への対応として、管理医療機器(クラスⅡ)の製造実績やQMS省令に準拠した体制を構築し、認証取得がスムーズに進む環境を整えました。デバイスの信頼性を確保するための品質管理も徹底し、クライアントのリスクマネジメントに貢献しています。
このソリューションは、デバイスの小型化を通じて作業者の負担を軽減するとともに、リアルタイムのモニタリングで精度と信頼性を保証することで、手動調整の手間を軽減し効率的な作業環境を提供します。
大手製薬メーカー
アイカムスラボの提案により、製薬メーカーは小型で精密なメカ機構の構築に成功し、目的としていた医療機器のQMS省令準拠の実現が達成されました。設計段階からアイカムスラボとの綿密な打ち合わせを重ねることで、設計のリスクを事前に把握し、適切な対応策を講じることが可能になりました。具体的には、低消費電力設計による電源効率の向上や、医療分野における認証取得の支援を受けることで、プロジェクトがスムーズに進行し、開発コストも抑えられました。また、アイカムスラボとの協業で生まれた新たな技術には、特許も共同で出願し、今後の市場での競争力向上も期待できることから、クライアント側からの満足度も非常に高い評価を得ています。